即日でおやすみも追加された 当天就追加了晚安问候
喧嘩したり〜いさが仲直りする話💥 吵架后~伊佐主动和好的故事💥
ふんわり未来軸。 柔软的未来时间轴。
潔と音信不通になってしょんぼりする凛ちゃんに、「俺も悪かった💦💦」ってよしよしする潔の図が見たかっただけ。
只是想看和洁失联后垂头丧气的凛酱,被洁摸着脑袋说"我也有错💦💦"的场景罢了。
喧嘩して仲直りして、何度も繰り返して、そうして特別から日常を織っていくカプ、いい。
吵架又和好,如此反复循环,就这样从特别中编织出日常的 CP,真棒。
※初っ端、短いけど当社比ちゃんとり〜いさが喧嘩してます。
※开头虽短,但本社特供的玲纱正在吵架中。
***
⚠️注意⚠️
・凛潔は運命だと思っているオタクによる個人的な幻覚です。
・凛洁是命运——这只是某个宅男的个人幻觉。
・捏造のオンパレード!中身はない!なんでも許せる方向け!
・全程虚构!毫无实质内容!仅供能接受一切的读者观看!
・閲覧は自己責任なので苦情は受け付けてません。 ・阅读需自行承担风险,投诉概不受理。
・もう一度言います、これはオタクである個人が見た幻覚です。
・再次声明,这只是某个宅男眼中看到的幻觉。
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✎* 追記 ✎* 附注
・2024/12/27の[小説]女性人気12位 ・2024 年 12 月 27 日[小说]女性人气第 12 位
・2024/12/28の[小説]デイリーランキング21位
・2024 年 12 月 28 日[小说]每日排行榜第 21 位
ありがとうございます🥳 非常感谢🥳
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✎* 追記② ✎* 补记②
2025.02.09 VRFにて頒布した新刊にタイトル変更の上で収録しておりますが、再録に伴ってこちらを下げる予定は今のところありません◎
2025.02.09 在 VRF 活动发售的新刊中已以更改标题的形式收录,但目前暂无因再录而下架本作的计划◎
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人間、どんなに相性が良い相手であっても、それなりに我の強い者同士が接していれば衝突することもある。凛と潔にもそれは当てはまるわけで、頻度が多いわけではないが、些細な言い合いは当然普段から存在した。そうは言っても基本は軽口を叩き合う、じゃれあいのような範疇のものが多い。だがこれが何度か続くと、溜まった鬱憤が爆発するように大きめな喧嘩に発展することがまれにある。それでも、そこは相性の良さゆえか、数日のクールダウン期間を挟んでなんだかんだ仲直りをしてきた。
人与人之间,无论多么合拍,只要两个个性强烈的人相处久了,难免会有摩擦。凛和洁也不例外,虽然频率不高,但日常琐碎的争执确实存在。不过大多属于互相调侃、嬉闹打趣的程度。但当这种小摩擦反复累积时,积压的郁愤偶尔会像火山爆发般演变成较大的冲突。即便如此,或许正是因为彼此投缘,经过几天的冷静期后,他们总能莫名其妙地和好如初。
今回の喧嘩も、小さな揉め事を何度か繰り返したあとに起こる、大きめな喧嘩のひとつだった。きっかけは些細な言い合いで、そこから売り言葉に買い言葉の応酬へと発展。ヒートアップしていたせいであまり覚えていないが、凛の放った「人たらし」「浮気野郎」あたりの言葉に妙にカチンときたことだけは覚えている。
这次争吵也是多次小摩擦累积后爆发的较大冲突之一。起因本是微不足道的口角,却在针锋相对的言语交锋中不断升级。由于当时情绪过于激动,具体细节已记不清了,唯独凛那句"中央空调""花心大萝卜"莫名让人火大的情形仍历历在目。
「誰彼構わずヘラヘラしやがって」 "「见谁都嬉皮笑脸的混蛋」"
「――はあ?」 "「——哈啊?」"
眼前にいる男の口から吐き捨てるように飛び出してきた言葉たちに、これもいつもの暴言だと流せれば良かったのだが、生憎このときの潔はそこまで冷静ではなかった。カッと頭に血がのぼる感覚。漏れ出た声は、存外低く。
眼前这个男人口中甩出的那些话,若能当作平常的恶言相向也就罢了,但不幸的是此刻的洁并未冷静到那种程度。热血上涌的灼烧感。漏出的声音意外低沉。
「……だったらテメェは、ちゃんと意思疎通図ったことあんのか。文句ばっかご立派な甘ったれ野郎」
"「……那你倒是说说看,你有好好沟通过吗?只会抱怨的狂妄小鬼」"
「あ?」 "「啊?」"
「そんなに凛は俺のことが信用ならないわけ? 少し他の人と接しただけで浮気だのなんだの、過剰反応しやがって。俺はテメェみてぇに対人関係破滅してねぇんだよ」
"「凛你就这么不信任我吗?稍微和别人接触就怀疑出轨什么的,反应过度了吧。我可不像你这种人际关系一团糟的家伙」"
「ンだと?」 「哈?」
声をワントーン下げた凛が気色ばむ。 凛压低嗓音怒目而视。
「人に文句言えるほど、その〝浮気〟とやらをされないほど、テメェは伝える努力をしてんのかって言ってんだよ」
「你他妈在指责别人之前,先想想自己有没有为维系关系努力过啊?就凭你这德行也配说别人出轨?」
苛立った顔をした凛が何か言う前にソファーから立ち上がった潔が、わざと荒っぽい手つきで置いてあったバッグを肩にかけた。
在满脸烦躁的凛开口前,洁猛地从沙发起身,故意粗鲁地把背包甩到肩上。
「帰る」 “我回去了”
ピシャリと言い放ち、そーかよ、とぶっきらぼうに飛んできた唸るような声を背中で聞きながら靴を履く。ドアに手をかけて、一度だけ凛の方を振り返った。
啪地甩下这句话后,听着背后传来“这样啊”的粗声回应和野兽般的低吼,我弯腰穿鞋。手搭上门把时,最后回头望了凛一眼。
「じゃあな、察して欲しがりの構ってちゃんが」 “再见吧,爱耍性子求关注的黏人精”
冷たく言い捨て、そのまま返事を聞く前にドアを閉めてしまったので、その言葉に凛がどういう反応を示したのかは分からない。そうして、凛の家へ遊びに来てから一時間と経たないうちに、潔は自宅へと舞い戻ったのだった。
冷冷抛下这句便关上门,没给凛回话的机会,自然也无从知晓他的反应。就这样,造访凛家不到一小时,洁便转身回到了自己家中。
おさまらない苛立ちのまま、果たしてこんな喧嘩は何度目だっただろうと考えた。いつもより凛に対してキツめな言葉で言い返した自覚も少なからずあったため、今回は少し長めに頭を冷やす期間が欲しいな、とも。ソファーの上へ放ったバッグから、スマホを取り出す。凛が自ら連絡をしてくることは多くない。それでも、浮気野郎だのなんだのと好き勝手言われたことに少なからず腹を立てたままだった潔は、SNSを含めた凛からのコンタクトとなり得るものをすべてブロックした。こんなことがあの凛に対して効果があるとは正直あまり思えないが、運良くブロックに気がついた凛が少しくらいは反省すればいい、なんて思いながら。
带着无法平息的烦躁,我思索着这到底是第几次争吵了。自己也意识到这次对凛说了比平时更尖锐的话,所以这次想稍微延长点冷静期。从扔在沙发上的包里取出手机。凛很少主动联系我。但被骂作"出轨混蛋"之类的话,洁还是忍不住火大,把凛在 SNS 等所有可能的联系方式都拉黑了。说实话不觉得这招对那个凛会有效,但若能幸运地让他发现被拉黑后稍微反省下就好了——边这么想着边操作。
万が一、凛が他の誰かを介して連絡してくる可能性――正直そんなことは起きないと思ったが、やるからには徹底した――も考え、しばらく連絡がつきにくくなる旨と緊急の際は所属クラブへ連絡してほしい旨をプロフィールに記載し、クラブからの連絡以外一切の通知を無視し続けて約ひと月ほど経過した現在。潔はといえば、いつも通りと言うべきか、腹の底で燃え盛っていた怒りはすっかり鎮火されていた。元より切り替えは早い方だし、いつまでも怒りが継続している質でもない。浮気野郎と言っていても、凛が本心から思って潔を疑って放った言葉ではないと、きちんと判断がつくくらいにはさすがに頭も冷えていた。
考虑到万一凛通过其他人联系的可能性——虽然觉得根本不会发生但要做就做彻底——我在个人资料里注明"近期不便联系,急事请联络所属俱乐部",之后除了俱乐部来电一律无视。如今已过去近一个月。至于洁,该说是恢复常态吗,心底燃烧的怒火早已熄灭。本来就不是会记仇的性格,更不是能长久维持怒火的类型。即便被骂"出轨混蛋",他也清醒到能判断那绝非凛真心怀疑才说出口的话。
正直、はじめの数日で怒りはおさまっていたのだが、今回は凛にもダメージを食らわせる目的があったため、ブロックはそのまま継続していた。あの連絡不精な男は、数日程度ではブロックに気が付かないだろうと思ったからである。けれど、こんなに一切合切の連絡を取らないことはあまりなかったので、さすがに凛のことが気になってきた。いつもならば、一週間もすれば潔から何かしらのメッセージを送るからだ。
说实话前两天气就消了,但这次存心要让凛也吃点苦头,所以继续维持着拉黑状态。因为觉得那个不爱联络的男人,短短几天根本发现不了被拉黑。不过像这样彻底断联实在罕见,现在反而开始担心凛了。要是往常,不出一个星期洁就会主动发消息的。
ああ見えて結構寂しがり屋な彼は、今どうしているだろう。別れ際に見た、自分は折れないという通常運転な顔を思い出す。連絡を断ったのは家を出たあとのため、凛が今回のことをどう思っているのかはわからない。無視しやがってと怒っているか、はたまた多少は反省したのか。まさかブロックに気がついていない、なんてことはないと思いたいが。
看似强硬实则怕寂寞的他,现在怎么样了呢?想起分别时那张写着"我才不会认输"的扑克脸。由于是离家后才断联的,完全不知道凛对这次事件的想法。是在为被无视而暴怒?还是多少有些反省?虽然不愿承认,但该不会...根本没发现被拉黑吧?
こんな風に連絡を断ったことは初めてだが、案外いつも通り甘えた態度で潔が戻ってくるのを待っているのかもしれない。喧嘩をしたとき大体は潔が折れて歩み寄ってやるのだが、凛が自分も悪かったと自覚しているときの、そうして歩み寄った潔へ少しだけ遠慮がちに触れてくる指先を思い出す。言葉では謝れないくせに、気まずそうな目をしながらそうっと抱き締めてきて、触ることを拒否せずに受け入れてやれば途端にひしっと離れなくなるのだ。
虽然这是第一次用这种方式切断联系,但说不定我内心其实还在像往常一样,等着洁用撒娇的态度主动回来。吵架时多半都是洁先让步靠近,而我则会想起那些当凛也意识到自己不对时,用略带犹豫的指尖轻轻触碰主动示好的洁的时刻。明明嘴上从不肯道歉,却会用尴尬的眼神悄悄抱上来,只要不拒绝他的触碰全盘接受,就会立刻被紧紧缠住再也不肯松开。
あれがかわいくて許しちゃうところもあるんだよなぁ、なんてちょっとだけ苦笑いしつつメッセージアプリを開き、連絡を断つためにしていた凛のブロックを解除してから、その他の溜めに溜めていた連絡に目を通していくことにする。結局クラブを通しての連絡はなかったため緊急のものはないはずだが、みんなにはちょっと申し訳ないことをしたかも、と今更反省しつつ、ブルーロック時代の仲間やその他知人から入っているいくつかのメッセージを順に開いていく。はじめはスイスイとスクロールしていたが、最近のものに近づくにつれてどうも様子がおかしい。
就是因为觉得那家伙可爱才会一次次原谅他啊——我苦笑着点开通讯软件,先解除了为断联设置的凛的账号屏蔽,然后开始处理积压成山的其他消息。俱乐部那边果然没有联络,应该没什么紧急事务,但可能有点对不起朋友们。我边反省边依次查看来自蓝色监狱时期的队友和其他熟人的信息。起初还能快速滑动屏幕,可越接近近期消息越觉得不对劲。
『潔、凛ちゃんとなんかあった?』 『洁,你和凛酱吵架了?』
『おい、どうせテメェが関係してんだろ。アイツどうにかしろ』
『喂,肯定又是你搞的鬼。快去解决那家伙的问题』
『なんか面倒なことになってんのか?』 『是不是遇到什么麻烦了?』
『凛と喧嘩でもした?』 『和凛吵架了吗?』
『あの歩く災害をどうにかしてくれ』 『快想办法处理那个行走的灾难』
「……」 "「……」"
歩く災害とは。とりあえず、真っ先に連絡が来ていた蜂楽にでも聞くか、と思ったところでまたメッセージアプリの通知が鳴る。
所谓行走的灾难。正想着先联系最先发消息的蜂乐问问看,这时消息应用的提示音又响了。
『愚弟を捨てることにしたと聞いたが』 『听说你决定抛弃愚弟了』
「捨……っ!?」 「抛……弃!?」
目に入った内容にぎょっとして、とんでもない誤解をされていそうな気配に、慌てて送り主へ電話をかけた。
看到内容的瞬间心头一惊,意识到对方可能产生了天大的误会,慌忙给发信人拨去了电话。
「あ、冴!? 今のメッセージ、なんの話!?」 「啊,冴!?刚才那条消息在说什么!?」
『よう。ついにお前が凛を捨てたらしいと聞いてな』 「哟。听说你终于把凛给甩了」
「待って、それ誰情報!? 捨ててないし、そんな予定ないし」
「等等,这谁传的谣言!?我没甩人也没这打算」
『だが、お前と連絡がつかないと凛は言っていたが』 「但凛说联系不上你」
「えっ」 「诶」
驚きで言葉が喉につかえた。凛、冴に相談したのか。ていうか、ブロック気付いたんだ。
震惊到失语。凛,去和冴商量了吗?话说,原来发现被拉黑了啊。
『……どうやら連絡がつかないようにしてたのは事実らしいな』
『……看来确实是有意切断联系呢』
「いや、ちょっといつもより頭に血が上ってたから……冷静になりたくて」
「不是,就是比平时更上头了些……想冷静下」
それに、少しくらい凛も反省するかな、って。ポツリと言えば、なるほどな、とスマホの向こうから深い溜め息が聞こえてくる。
而且,凛多少也会反省一下吧。他轻声说完后,手机那头传来深沉的叹息声,仿佛在说"原来如此"。
『そういうことならお前の目論見通りだ、エゴイスト。……念の為確認するが、愚弟を捨てる予定はねぇんだな』
『既然是这样那就如你所愿吧,利己主义者。……为防万一确认下,你没打算抛弃我那蠢弟弟吧』
「ないない」 "「不会不会」"
『そうか。なら、申し訳ないが早いところあのバカと連絡を取ってやってくれ』
『是吗。那就抱歉了,麻烦你早点联系那个笨蛋』
「うん?」 “嗯?”
『どうも、常に気が立っていて手がつけられない状態らしい』
“据说他总是一副剑拔弩张的样子,根本没法接近”
「…………え?」 “…………啊?”
たまたまオフの日だったこともあり、冴に言われるがまま凛が所属しているチームのクラブハウスへ向かう。さすがに押しかけたら迷惑ではと言ったら、今回に限っては迷惑がられることは無いし、何なら喜ばれるだろうからとりあえず時間があるなら早く行けと言われた。……そんなに?
碰巧当天是休息日,凛便听从冴的建议前往他所属球队的俱乐部会所。虽然提出“突然造访会不会打扰人家”的顾虑,但对方表示唯独这次绝对不会造成困扰,甚至可能会受到欢迎,还说既然有空就早点过去。……至于这样吗?
試合をしたこともあるし当然知らないチームではないが、完全に部外者の自分が突然訪れて入れるものなのだろうかとおそるおそる顔を出すと、まさかの顔パスだった。なんなら顔見知りのスタッフには本当に喜ばれている。あれよあれよと凛がいる場所へ案内され、あそこだ、と指さされた方をそっと物陰から覗いてみた。
虽然曾与他们交过手,并非完全陌生的队伍,但作为局外人的我突然造访真的能被允许进入吗?当我战战兢兢地探头张望时,没想到竟直接被认出了面孔。更意外的是,相识的工作人员们甚至表现出由衷的欢喜。就这样稀里糊涂地被带到了凛所在的位置,顺着指引悄悄从掩体后窥视。
果たして、そこにいたのは確かに見るからに気の立った凛の姿だった。チームメイトと何かあったらしく、怒鳴り声こそ聞こえてこないが美しいかんばせを歪めて相手を睨みつけている。なるほど、ものすごくイライラとしていそうな雰囲気だ。仲裁に入ろうとしているのか、別のチームメイトが声を掛けると凛はそちらも睨みつけ、肩に触れようと伸ばされた相手の手をすげなく叩き落としている。
果然,那里确实可见浑身紧绷的凛。似乎与队友发生了争执,虽听不见怒吼声,但那张俊美的脸庞正扭曲着瞪视对方。原来如此,确实能感受到近乎爆发的焦躁氛围。当另一位试图调解的队友靠近时,凛连带着瞪向那人,毫不留情地拍开了对方伸来搭肩的手。
だが、潔の目にはそれだけには見えなかった。グラウンドにいる凛との距離が遠くてよく見えないが、何となく顔色が悪そうだし、聞いていたような凶暴さは思ったより見受けられない。どちらかと言えばしょげているような、精彩を欠いた印象を受けた。まさか、喧嘩のせいで凛はこうなっているのだろうか。
但在洁眼中,事情并不止于此。由于距离球场上的凛太远看不真切,但总觉得他脸色欠佳,传闻中的暴戾之气也比想象中淡薄。反倒给人一种垂头丧气、神采黯淡的印象。难道说,这场争执让凛变成了这样?
知らされていた状況と事実はいささか異なるようで、おや、とそのまま様子を伺っていると、チームメイトたちが怯えた風に立ち去ったあと、しばらくその背中を睨みつけていた凛が不意に視線を落とした。垂れ下がっていた右手が、緩く少しだけ持ち上げられる。先程まで練習をしていたのだから当然だが、いつもならばお揃いのペアリングが輝いてる薬指は今は空っぽだ。じっと見下ろしていた凛が、ゆっくりと左手の指先で右手を撫でた。指のつけ根――おそらくは、一番星の定位置を。伏せられた美しいターコイズブルーが微かに揺れて、何かを堪えるように細められる。それは流星のように、瞬きの間のことだった。それでも確かに、唇が固く引き結ばれるその仕草を、そこにほんのひとしずく滲んだ感情を、潔は見逃さなかった。
被告知的情况与现实似乎略有出入。正暗自观察时,见队友们怯生生散去后,久久瞪视着他们背影的凛突然垂下视线。原本低垂的右手被缓缓抬起些许——本该戴着对戒的无名指此刻空空如也。当凛用左手指尖轻抚右手指根(那枚星辰戒指的固定位置)时,低垂的土耳其蓝眼眸微微颤动,像是强忍什么般眯起。这流星般转瞬即逝的瞬间里,那紧抿的唇线与眼角渗出的情绪,都被洁清晰地捕捉到了。
「――」
まさか、そんな顔をするなんて。驚いてしまって、見ていられなくて、反射的に物陰から出て一直線に凛の元へ向かう。足音で自身へと近づく存在に気づいたのか、気だるそうにこちらを向いた瞳が、潔の姿を捉えてまんまるになる。いつもはもっと健康的に血の通った色をしているはずの頬は、近くで見るとますます雪のように白い。
没想到会露出那样的表情。惊讶得无法直视,下意识从藏身处冲出来直奔凛而去。或许是听见了靠近的脚步声,那双慵懒转过来的眼睛捕捉到洁的身影时瞬间睁得滚圆。原本总是健康红润的脸颊,近看却愈发苍白如雪。
「凛!」
「…………いさぎ?」 「…………洁?」
棒立ちになる凛へ駆け寄って手を伸ばし、その頬に触れる。いつもよりなんとなく低い体温と、近くで見ればよくわかるほどに色濃い目元の影に胸が締め付けられた。
我冲向僵立不动的凛,伸手触碰他的脸颊。比平时略低的体温,以及近距离才能看清的浓重眼周阴影,让我的胸口一阵发紧。
「ごめん、俺も悪かった」 「对不起,我也有错」
言いながら、熱を分け与えるように両手で頬を撫でる。黙りこくったままの凛が、途方に暮れたような顔をした。文句のひとつも飛んでこないことに、いよいよ重症だと潔がうち震える。頬を撫でて、目元をなぞって、横髪を耳にかけてやって、また頬に触れて。そうして体調を確認しながらむにむにぺたぺたと構い続けていると、ほんの少しだけ血の気が戻ってきた気がした。じっとされるがまま、静かに潔を見下ろす凛の長いまつ毛が震える。一度、二度瞬いて、そろりと持ち上げられた大きな手が、その指先で潔の指にはめられたペアリングを確かめるように撫でていく。ほう、とどこか安堵するみたいに微かに息を吐いて、それから頬をあたためる潔の手を覆うようにゆっくりと重なった。すり、とやんわりとすり寄せられた温度に堪らなくなって、逆の手で髪に触れる。
说着便用双手摩挲他的脸颊,像是要分些体温给他。沉默不语的凛露出茫然失措的表情。连半句抱怨都没有,让洁愈发心慌得发抖。抚过脸颊,描摹眼尾,将鬓发别到耳后,又回到脸颊。这般反复确认体温的黏糊动作间,似乎终于唤回些许血色。任人摆布的凛垂着长睫毛凝视洁,睫羽轻颤。眨动一两次后,那双大手缓缓抬起,指尖流连于洁手指上的对戒。像是松了口气般微微「呼」出气息,而后慢慢覆上洁温暖着他脸颊的手。蹭过来的温度温柔得令人难以招架,洁忍不住用另一只手抚上他的发丝。
「このまま待ってるから、一緒に帰ろ」 「我会一直等着,一起回家吧」
唇を引き結んだままの凛の頭をよしよしと撫でていると、一連の流れを見ていたらしい監督がもう今日はこのまま帰れと言ってくれたため、有難く凛の手を引いて更衣室へ向かう。更衣室には誰の姿もなく、人目がなくなったので凛にベンチへ座るよう促し、未だに一言もしゃべらないまま素直に座ったその頭を抱えるようにして抱き締めた。
我轻抚着凛始终紧抿嘴唇的脑袋,目睹全程的监督体贴地让我们今天先回去,于是感激地牵着凛的手走向更衣室。更衣室空无一人,确认四下无人后便示意凛在长凳坐下,依然沉默不语的他温顺地坐下,我将他整个人揽入怀中紧紧抱住。
「りん。仲直りしような」 「凛。我们和好吧」
ゆったりと染み込ませるように囁いて、抱き締めた頭に頬を寄せた。ぴったりとくっつきながら、とんとんと背中を叩く。しばらくすると、そろそろと背に腕を回された。やんわりと遠慮がちな、自分も悪かったと分かっているときに凛がする、いつもの仲直りの力加減。黙って受け入れていればそれは瞬く間に強くなって、ぎゅう、と抱き締められる。
如同让话语缓缓渗透般轻声耳语着,将脸颊贴向怀中人的发顶。紧密相偎时,轻轻拍打他的后背。片刻后,感受到他迟疑地环住我的后背——那是凛意识到自己也有错时,特有的带着克制力的和好方式。只要默许这份拥抱,他手臂的力道就会骤然收紧,变成令人窒息的熊抱。
「………………くそが……」 「……………混账…」
ようやく胸元から聞こえてきた久しぶりの声に、耳を澄ませる。
终于从胸口传来久违的声音,我侧耳倾听。
「ふざけんなよ、テメェ……」 「开什么玩笑,你这混蛋……」
「うん」 「嗯」
「………………………………しね」 「………………………………去死」
言う割に腕の力はまったく緩まなくて、思わずくすくすと笑ってしまう。よしよし、帰ろうな〜、なんて言いながら凛を促して帰り支度をさせ、またしても黙ってしまった凛と指を絡めて帰路に着く。いつもならば整頓されていて小綺麗な凛の家は、喧嘩ぶりに入ると物が片付いておらず珍しいくらいに荒れていた。無言で離れたがらない凛に、練習で汗をかいたのだからと言い聞かせて風呂に行かせ、とりあえず寝室を整理することにする。あの顔色だ、ちゃんと食べていないかも知れないが、まずは寝かせた方がいい気もする。戻ってきたら聞いてみるかなんて考えつつ、窓を開けて換気しながら散らかっていた衣類を回収し、乱れたままだった寝具を整えていると、凛が風呂から出たらしく物音がした。ドアを開けたままだった寝室から顔を出して、ちゃんと髪乾かせよ〜、と声をかけるのと同時に、肩にタオルを掛けた状態の凛が洗面所から出てくる。一直線に寄ってきてはぎゅ、と再び抱き着いてきた凛を見上げると、みどりの黒髪はしっとりとした艶を纏っていて乾いた様子は皆無だ。
嘴上说着要松手,手臂的力道却丝毫未减,我不由得噗嗤笑出声来。好啦好啦回家吧~这样催促着凛做回家准备,再次与沉默不语的凛十指相扣踏上归途。平时总是收拾得整洁精致的凛家,此刻因吵架后无人整理而罕见地凌乱不堪。我默默说服紧抓不放的凛"练习出了汗该去洗澡",先着手整理卧室。看他那脸色,说不定都没好好吃饭,但总觉得还是先让他睡下比较好。正想着等他回来再问,我开窗通风时顺手收起散落的衣物,刚整理到乱作一团的被褥,浴室方向传来凛出浴的动静。从敞着门的卧室探头喊"要把头发擦干啊~",恰见肩上搭着毛巾的凛从盥洗室走出。他径直扑来又紧紧抱住我,仰头看见他翡翠般的黑发还滴着水珠,完全没有擦干的迹象。
「コラ、風邪引くだろ」 「喂,会感冒的」
「……」
ぎゅう、と返事なく強まった拘束に少しだけ笑って、なだめるようにポンポンと回された腕を叩く。
面对这声不吭却变本加厉的束缚,我轻笑着拍了拍他环住我的手臂,像安抚般轻轻拍打。
「大丈夫、勝手に帰んないから。ドライヤーしてこい」
「没事,我不会擅自回去的。你先去吹头发吧」
渋々離れた凛が洗面所へ戻るのを見送ってから、次いで冷蔵庫の中を見てみる。幸い何も入ってないなんてことは無かったが、あったのは冷凍の野菜とササミ肉、あとは芋類、栄養補給食品。最低限アスリートとしての栄養は摂るようにしていたのだろうが、入っている食材が偏りすぎているので食事というより栄養補給という感じだ。うーん、これは外へ食べに行った方がいいだろうか。比較的胃に優しいメニューを扱っている店がなかったか、頭の中で近隣の飲食店を思い出していると再び凛が戻ってくる。磁石のようにまたしてもひしっとくっついてきた大きな身体を抱き締め返してから、伸ばした指先で梳いてみた髪はきちんと乾いていた。よしよし。風呂上がりの身体はあたたかく、ドライヤーを当てて間もない髪もまだぬくもりが残っていて、全身ほこほこな凛がなんだかかわいい。
目送不情不愿离开的凛返回洗漱间后,我接着查看了冰箱内部。所幸并没有空无一物,但里面只有冷冻蔬菜、鸡胸肉、薯类食材和营养补给品。看来他至少还保持着运动员的基本营养摄入,但这些食材过于单一,更像是营养补充而非正餐。嗯——或许还是外出就餐比较好吧?正回忆着附近有哪些供应温和餐食的餐馆时,凛又回到了客厅。像磁铁般再次紧贴过来的高大身躯被我回抱住,伸手梳理的头发已经完全吹干。乖。沐浴后的身体暖烘烘的,刚吹干的发丝也残留着温度,整个人暖融融的凛看起来格外可爱。
「腹減ってる? それとも一回寝とく?」 「饿了吗?还是先睡会儿?」
「腹減った」 「饿了」
「そっか。何食べたい?」 "这样啊。想吃什么?"
なんでもいいって言うかな、といつもの回答を想像していると、凛が言葉を探すような素振りを見せた。さらさらと髪を撫でながら返事を待つ。
正想着他大概又会回答"随便",凛却露出了斟酌措辞的模样。我轻抚着柔顺的发丝等待回应。
「……潔が、」 "……洁他,"
「うん?」 "嗯?"
「潔が作ったもん」 「小洁做的」
無理じゃねぇなら、と続いていった言葉たちに、パチリと無言で瞬いてから思わず相好を崩す。こんな風にまっすぐリクエストしてくるのはめずらしい気がする。でも、うれしい。
面对那句"又不是做不到"的后续话语,他眨了眨眼沉默片刻,随即不自觉地绽开笑容。这般直白提出请求的情况实属罕见,但令人欣喜。
「あんま材料ないから大したもの作れないけど、いい?」
「材料不多可能做不出什么像样的东西,可以吗?」
「ん」 「嗯」
小さく頷いてすりすりと懐いてくる凛を今日に限ってはくっつけたまま、まだ見ていなかった戸棚を覗き込むと乾麺のうどんを発見した。これ幸いと麺を茹でている間に、ストックしてあった麺つゆと冷凍庫にあった鶏ササミ、ほうれん草でつゆを作り、どうせならと麺を加えて煮込みうどんにする。器を運んでくれた凛にお礼を言って、向かいに座って同時に手を合わせる。
今天破例让蹭过来点头示好的凛黏在身上,查看还没检查过的橱柜时发现了干乌冬面。趁煮面的功夫,用储备的面汁和冷冻鸡胸肉、菠菜调了汤底,索性把面加进去做成烩乌冬。向帮忙端碗的凛道谢后,对坐着同时合掌开动。
「……うまい」 「……好吃」
ひと口うどんを食べた凛が、ポツリと呟く。よかった、と微笑んで自分の分に手をつけた。男二人、黙って食べればうどんなんてあっという間にたいらげてしまうわけで、うまかった、ともう一度言って箸を置いた凛に足りたか聞けば肯定が返ってくる。いつもより量を少なくしたはずなので、これが本当なのだとすると、前より胃が小さくなってるのだろう。やっぱりあんまり食べてなかったのかも、と心配を募らせながら食べ終えた器を流しへ持っていくと、凛が洗い物を申し出てきた。早く休ませたい気持ちもあったため少し迷って、でもきっとこれは凛なりの『仲直り』の一環なのだろうと思い至ってお願いすることにする。リビングのソファーで待っていると、片付けを終えた凛が隣へ来た。すぐに回された腕に逆らわずにいれば、あれよあれよと膝へ乗せられてぬいぐるみを愛玩するように抱き締められる。まるでしがみつくような腕の強さがあまりに切実で、少しでも安心材料になればとゆっくり頭を撫でた。
吃了一口乌冬的凛轻声嘟囔。见他喜欢便微笑着动筷。两个男人闷头吃的话乌冬转眼就能扫光,听到凛放下筷子又说好吃,问他够不够时得到了肯定答复。明明比平时少煮了些,若这话当真,怕是胃容量变小了。果然之前都没好好吃饭吗——怀着这样的担忧把空碗拿到水池边时,凛主动提出洗碗。虽想让他早点休息有些犹豫,但想到这大概是他特有的"和好"方式,便接受了提议。在客厅沙发等待时,收拾完的凛坐到了身旁。刚被搂住胳膊还没反应过来,转眼就被抱到膝上像玩偶般紧紧搂住。那近乎执拗的拥抱力度实在令人心疼,为能给他些许慰藉,便缓缓抚摸着他的头发。
「連絡、ブロックして悪かった」 「屏蔽联络…对不起」
ぴったりとひっついた身体がピクリと震える。 紧密相贴的身体微微颤抖。
「凛も反省すればいい、くらいのつもりだったんだけど。……ごめん、そんなに驚かせると思ってなくて」
「我本来只是想让你反省下就好……对不起,没想到会吓到你」
「……二度とすんな」 「……别再这么做了」
「うーん、それは凛次第だけど」 「嗯——这就要看凛的决定了」
「テメェ、ふざけんなカス」 “你这混蛋,少给我嚣张”
言いながら、ぐりぐりと肩口に額を寄せられる。いやいやするような仕草がどうしても可愛くて、くふくふと笑ってしまう。
说着便把额头抵在我肩头来回磨蹭。那副不情不愿的模样实在可爱,惹得我噗嗤笑出声来。
「でも、もう勝手にはやらないから」 “不过,以后我不会再擅自行动了”
少しだけ離れて見てみれば、しょげていた顔色が随分良くなった凛がいてちょっと安心した。先程の話題のせいかぶすくれた顔をするその唇に柔らかく口づけて、こつりと額を重ねる。覗き込んだターコイズブルーの美しさになんだか急にほっとして、もしかすると自分も寂しかったのかもしれないと頭の隅で思う。そのまま体温を分け合うようにしばらく抱きしめ合って、凛が眠そうにし始めたので少し寝た方がいいと促して寝室へ移動した。
稍稍退开些距离观察,发现凛原本萎靡的脸色好转许多,这才略感安心。或许是因为先前的话题,他噘着嘴露出闹别扭的表情。我轻柔地吻上那两片唇瓣,又轻轻与他额头相贴。凝视着他蓝绿宝石般美丽的眼眸,不知为何突然感到一阵慰藉,或许我自己也在暗自寂寞吧——这样的念头掠过脑海。我们就这般分享着体温相拥良久,直到凛开始犯困,便哄着他去卧室休息。
時刻はまだ夕方前の昼下がり。晴れていることだし、凛が眠っている間に溜まっていそうな洗濯なんかを片付けてしまおう。少し買い出しも必要かもしれない、なんて考えていると、横になった凛の手によってベッドへ引きずり込まれた。
时间尚在傍晚前的午后。既然天气晴朗,不如趁凛睡觉时把积攒的衣物洗了吧。正想着或许还需要买些东西,就被躺着的凛一把拽进了被窝里。
「りん?」 「凛?」
返事がないまま潔を抱き込み、足を絡めて寝る体勢に入った凛にもう一度声を掛ける。
没有回应地抱住洁,又缠上腿摆出睡觉姿势的凛,让我再次出声唤她。
「一人の方がゆっくり眠れるんじゃ?」 「一个人睡不是更安稳吗?」
「……、……この方が寝れる」 "……、……这样就能睡着了"
少しだけ躊躇うような沈黙のあと、呟くように返ってきた言葉に思わず顔を上げた。こちらを見下ろすトルコ石と、まっすぐに視線がかち合う。
在略带犹豫的短暂沉默后,听到对方呢喃般的回应,我不由自主抬起头来。俯视着我的绿松石色眼眸,与我直直四目相对。
「はなれんな」 "别离开"
きょとんと見上げてきた青い瞳に何を思ったのか、さらに付け加えられていよいよ潔は目を丸くした。今日の凛はやけに素直だ。喧嘩の直後だし、音信不通が効いたのかも知れないと思っていたが、それにしたって随分と言葉にしてくれる。今のだって、いつもなら多分、うるせぇとだけ返ってくるところなのだが。先程のご飯のときもそうだ。もちろん普段から潔が味を聞けば悪くねぇと言ってくれるし、潔もそれが凛なりの『美味しい』であるとは理解していた。顔と目を見ていればわかるし、そこに大きな不満はなかった。けれど思い返せば、あんな風に自分から美味しいと言うことは無かった気がする。
看着那双茫然仰视的蓝眼睛,不知想到了什么,对方又追加了一句,让洁惊讶得睁圆了眼睛。今天的凛异常坦率。或许是刚吵完架又断联的效果,但能说出这么多话实在罕见。换作平时,这种时候大概只会回句"烦死了"。刚才吃饭时也是。虽然平常问起味道时凛也会说"不赖",洁也明白那就是凛式的"好吃"——看表情和眼神就懂了,本来也没什么不满。但仔细回想,凛似乎从未主动说过"好吃"这样的话。
「なんか、今日は素直だな」 「今天怎么这么老实啊」
もしかして喧嘩のせい?、なんて、凛相手に悪手だと分かっていながら思わず問いかければ、凛がムッとした顔をした。
该不会是因为吵架吧?——明知对凛说这种话是步臭棋,却还是忍不住问出口,只见凛立刻绷起了脸。
「………………テメェが言えって言ったんだろ……」 「………………不是你这混蛋让我说的吗……」
ボソリとそう言ってじっと見つめ返してくる瞳はどうしてかわずかに揺れていて、心なしか不安そうですらあって、そこではたと喧嘩のときに勢いに任せて吐いた言葉を思い出す。もしかして、……『伝える努力』?
他低声嘟囔着直直回望过来的眼眸不知为何微微颤动,隐约透着不安,这时我突然想起吵架时脱口而出的气话。难道说……这就是所谓的『表达的努力』?
思い至った瞬間、堪らなくなって目の前の身体に抱きついた。あんなことを言ったが、凛からの愛情表現が足りていなかったわけではない。言葉にすることが苦手で、口が悪くて、でもたくさん行動で示してくれていた。唯一だと思ってくれていると、ちゃんと伝わっていたのだ。きっと潔だって足りていなかったはずなのに、悪かったのは凛だけじゃないはずなのに、こうして不器用にも繋ぎ止めようとしてくれる、その気持ちが嬉しくて胸がいっぱいになる。
当这个念头闪过的瞬间,我再也无法克制地抱住了眼前的人。虽然说过那样的话,但凛给予的爱意表达从来都不算少。只是他不善言辞、说话刻薄,却总用行动证明着一切。那份"唯一"的认定,确实好好传达给了我。明明洁自己肯定也有所不足,明明不该只怪凛一个人,可他却这样笨拙地试图维系我们的关系——这份心意让我满心欢喜。
「うん。……ありがと、凛」 "嗯。……谢谢你,凛"
今度は潔からしがみつくように抱きついて、凛の胸に顔を埋める。
这次换洁像抓住救命稻草般紧紧回抱,把脸埋进凛的胸膛。
「俺も、凛がいちばん大切」 "对我来说,凛也是最重要的"
頭上から、息を飲んだような気配。染み入るぬくもりに心をひたしながら、喧嘩の始まりを思い出す。浮気野郎。足りていなかったのは、凛の言葉だけじゃない。きっと、潔の愛情表現も足りていなかった。
头顶传来倒抽凉气的气息。沉浸在这渗入骨髓的温暖中,我想起争吵的开端。花心混蛋。不够的不仅是凛的话语。一定连洁表达爱意的方式也不够充分。
「おまえだけ。……離れないよ」 "「只有你。……不会离开的」"
囁きを聞いた凛が、ぎゅう、と腕の力を強めた。全身で抱き締められて苦しいくらいで、でもその力強さが嬉しくて心地いい。昼寝のあとは、洗濯をして部屋の片付けをしよう。二人一緒に。きっと一人でするより早く終わるはずだから、そうしたら買い出しに行こう。手を繋いでもいいし、たまには腕を組んでも良いかもしれない。腕を組むのはあまりしたことがないけど、凛は喜ぶかな、なんて。つらつらと考えるともなく考えて、小さく欠伸をこぼす。
听到呢喃的凛,手臂猛然加重了力道。被全身紧抱得几乎窒息,但这强硬的力度却令人欣喜又舒适。午睡后就去洗衣服收拾房间吧。两个人一起。肯定比独自完成要快得多,之后就去采购好了。可以牵手,偶尔挽着手臂也不错。虽然很少挽臂,但凛会开心吧,漫不经心地想着这些,轻轻打了个哈欠。
「(……おきたら、)」 "「(……等醒来后,)」"
まずはおはようのキスでもしてみようか。凛はびっくりするかな。ちょっと恥ずかしいけれど、気に入るようだったら少しずつ習慣にしてみたりなんかして。一ヶ月ぶりのぬくもりとにおいに心がほどけるのを感じながら、小さなたくらみを手元で転がしては、くふくふとひそやかに微笑む。確かに感じる、己の唯一の存在。大きな身体にあたためられながら、ひと足先に聞こえ始めた寝息を子守唄に、うとうとと幸福なまどろみに意識をゆだねた。
先来个早安吻试试看吧。凛会不会被吓到呢。虽然有点害羞,但如果她喜欢的话,或许可以慢慢养成这个习惯。感受着时隔一个月的温暖与气息让心灵逐渐放松,一边在手中把玩着小小的恶作剧念头,一边偷偷抿嘴轻笑。确实能感受到,自己独一无二的存在。被高大的身躯温暖包裹着,以率先响起的轻微鼾声作为摇篮曲,将意识托付给幸福朦胧的浅眠。